ヒハツ(畢撥 Piper longum)とは、コショウ科の蔓性の常緑木本で、その未成熟果穂の乾燥品の呼称でもあります。コショウに似た風味を持っており、コショウと同様にスパイスとして利用されています。
もっとも、コショウを意味する英語の “pepper”は、サンスクリットでヒハツを表す“pippali”に由来しているとされていて、ヨーロッパでも古くから知られていた香辛料です。
しかし、ヨーロッパでは12世紀頃から次第に黒コショウが用いられるようになり、14世紀には黒コショウに取って代わられてしまい、今日、ヒハツがヨーロッパで料理に使用されることは稀となってしまいました。
ですが、今でも産地であるインドや、インドネシアそしてマレーシアなどでは普通に用いられていて、インドの食料品店では、大抵 Pippali と表記されて、容易に入手できます。
さらに、インドの伝統医学として知られるアーユルヴェーダにおいて、ヒハツは最もよく使われる薬草の一つです。アーユルヴェーダの書物ではヒハツは最も強力な薬草の一つに数えられ、長寿を促すものとされています。
中国においても、開宝本草に収載されていて、生薬として体を温める目的で使用され、健胃、鎮痛、止瀉薬として頭痛、歯痛、下痢、嘔吐などに効果があるとされています。
ヒハツが、美肌に効果があるとされているのは、毛細血管のTie2(タイツー)という物質を活性化して壁細胞を剥がれにくくする働きがあることによります。しかも、動物実験では、人間に換算して1日数mgの摂取で効果があることが確認されています。
美肌を追及している化粧品メーカーが注目していることのひとつに美肌と血管の関係があります。しかも血管の中でも注目しているのが毛細血管です。
血液は、血管を通って私たちの様々な器官に栄養や酸素を運んでくれていますが、実は、その血管の99%が毛細血管であるといわれています。
したがって、毛細血管の状態が美容や健康に大きな影響があることが容易に想像することができるわけです。
そして、この毛細血管ですが、年をとるにつれてダメージを受けて血管としての機能が低下することがわかってきました。
例えば、肌においては、皮膚毛細血管が、血管内皮膚細胞とそれを覆う壁細胞の二層構造になっています。これにより、適度な血管透過性を持つことで、血液が末端まで届き、細かな網から適度に滲みだすようにようにして必要な量の栄養分が肌の隅々まで届けられています。
ところが、皮膚毛細血管は、加齢とともに内皮細胞から壁細胞が剥離しやすくなり、50代になると3割近く剥がれてしまうともいわれています。
こうなると剥離したところから栄養や酸素が漏れてしまい、皮膚毛細血管の末端まで血液が通わなくなることで、肌の隅々にまで栄養や酸素が届かなくなってしまいます。
栄養が届かない末端では、例えば線維芽細胞はコラーゲンを作る能力が衰えることで、肌に弾力がなくなり、シワの原因になります。つまり肌の老化という現象がおきてきます。若々しい健康的な美肌には毛細血管はとても重要だということです。
また、ある研究では、70代になると皮膚の毛細血管の4割が様々な慢性炎症によって劣化してゴースト化して消えていってしまうという報告もあります。
必要とされる末端まで届かずに途中で漏れ出た血液は、むくみの原因ともなり、末端に血液が届かないことで冷え性の原因ともなります。
皮膚毛細血管において、内皮細胞から壁細胞がはがれる原因は、内皮細胞にあるレセプター型チロシンキナーゼTie2(タイツー)の活性の低下にあるとされています。Tie2は、年齢による量的変化はありませんが、年齢による活性の低下が確認されているとのことです。
つまり、Tie2を活性化することが出来れば、毛細血管を修復することが出来、血液が末端まで届くことで肌のシワ・シミ対策になどに効果を得ることが出来るというわけです。
そして、ヒハツの摂取はTie2を活性化させ、皮膚毛細血管の血管透過性の正常化を促すことで、栄養成分を末端組織まで供給でき、シワ・シミ予防効果を得るなど、若々しい美肌や美脚を得ることが出来るといえます。
また、同様の効果を期待できるものとしては、ほかに、シナモンや、ルイボスティーがあります。
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